匠町の浄光寺(3)
次に、浄光寺の菅笠日限りの地蔵尊については、日を限ってお願い事をすると、必ず叶えられるというので、日限地蔵の名がある。
石の菅笠をかぶった珍しいお姿をしている。奉行所から命じられた開墾事業に出られぬ病気の老人に代わって、この地蔵が子供に姿を変えて勤めてくれたという伝説がある。
毎月24日の縁日には、安産・子育て・学業成就・病気平癒などを願う参詣者で賑わっている。大縁日は、4月24日である。
また、古いもので、青石の板碑というものがある。ほとんどが梵字で書かれているが、中央の上半分くらいのところに「阿弥陀如来」、少し下、左右に「勢至菩薩」「観音菩薩」と、阿弥陀如来を中心とした「弥陀三尊」が、中央下半分くらいのところに、嘉元2年(1304)刻銘があり、最下部には、蓮華の花立が陰刻してあるということである。勿論、日光市指定文化財である。
更に、ここの梵鐘は、日光山最古の梵鐘で、室町時代の長禄3年(1459)に権律師源観が日光山内の本宮権現に奉納したものである。銘文には、古河公方の足利成氏が当将軍と称し、座禅院権別当昌源の名も見えるなど、歴史資料としても貴重なつり鐘である。工芸的にも優れているため、戦時の供出を免れたが、現在は、亀裂が入っていて残念ながら使用されていない。栃木県指定文化財になっている。
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