⑥元ル-マニア公使館別荘

今でも昔が偲べるスナップ(1)
家の1/2位を占める石積みが懐かしい
今でも昔が偲べるスナップ(1)
家の1/2位を占める石積みが懐かしい
今でも昔が偲べるスナップ(2)
今でも昔が偲べるスナップ(2)
 この【元ルーマニア公使館別荘】は、戦前の建物である。第2次世界大戦を挟んでどんな歴史があったのか。興味は尽きない。そして、昔のことは分からないとしたが、その後、資料が手に入り、少々分かったことがあるので記して置く。
 建築したのは、昭和6年(1931)頃で、土台が石造りで上が木造だったそうです。そして、毎年利用していたらしいが、昭和12年(1937)支那事変が始まる頃から来られなくなったように思うとのことです。この建築は、【ルーマニアの農家】の代表的な建築様式で、広い松林の庭があって、その中にこの【元ルーマニア公使館別荘】があったのだそうです。今は、宅地分譲等が行なわれたりして、昔の面影は、この建物以外にはありません。
 ところで、戦後の昭和20年代(1945~1954)は、日本が最貧国で生きるのが精一杯で、ただ我武者羅に働いた時期、30年代前半(1955~1959)は、少しは人間らしく生きられ始めた時期、そして、30年代後半 (1960~1964)になって、初めて池田勇人首相の《所得倍増計画》と相俟って経済成長が毎年10%台を確保し、やっと、人間らしい生活ができるようになった時期に、昭和34年(1959)《皇太子殿下の御成婚》をテレビの前で慶び、昭和39年(1964)《東京オリンピック》を成功させ、世界に日本の復興を印象付けると共に選手の大活躍に涙した時期があっての現在です。
 このような流れの中で、日光中学校に通った昭和30年(1955)4月~33年(1958)3月頃は、日本の家屋は、土台石の上に 柱を建てるような建築が一般的だった。そのようなときに、この【元ルーマニア公使館別荘】の造りは目を見張る建物だった。腰の部分まで《石造り》であり、本当に立派でした。羨ましい存在でした。
 しかし、その後、ここを通るたびに、人の住んでいる気配がなくて、家が傷んでいるのではと心配していました。ところが、近年、この【元ルーマニア公使館別荘】が改装され、往時を思わせるように生まれ変わっていて 嬉しく思っています。
 参考文献:『日光市史資料 第4集』 日光市史編纂委員会編

 トマス・ベィティ(Thomas Baty)
 久次良神社の斜向かい角に、石積みの一階部分と石の煙突を持った建物がある。 通りがかりに、ふと目にとまるこの建物は、元ルーマニア公使館別荘で、戦後の一時期、ここに英国人トマス・ベィティさんが住んでいた。
 ベィティさんは、明治4年(1871)スコットランドに生まれ、オックスフォード大学きっての秀才であったという。47歳(1918)の時、外務省法律顧問として来日。国際強調の時代に活躍され、昭和29年(1954)千葉県一の宮で85歳(1956)生涯を終え、外務省創設以来4人目にあたる省葬を受けられた。
 日光在住の頃、お付き合いのあった方のお話によると、英国式スタイルを崩さない紳士で、太平洋戦争後の物資の乏しい時代にも、食事の時間にはきちんと身支度を整えて、食卓につかれ、その日本語は「・・・デゴザイマス」という丁寧な言葉遣いをなさったとか。
 静かな久次良の小径が気に入られ、付近の散策をよく楽しんでおられたそうである。
  参考文献:『ふるさとの散歩道 第3集』日光ふるさとボランティア編

イタリア大使館別荘

イタリア大使館別荘

 日光は、夏になると避暑のため、各国の大使館が日光に移動するとまでいわれた程の賑わいであったそうです。その流れの中の1つが、この【元ルーマニア公使館別荘】です。
 そこで、同じようだと思うので、平成12年(2000)9月30日に栃木県が整備を進めてきたイタリア大使館別荘を取り上げてみたいと思います。
 設計者は、後述のアントニン・レーモンドで、工事請負者は、赤坂藤吉(1885-1957)、棟梁は、高松儀平と地元の方々が関わっていたようです。また、別荘の詳細は、「THE JAPAN ARCHITECT JA 33 SPRING,1999季刊」【ANTONIN RAYMOND】を参照されたい。
 このイタリア大使館別荘の建物は大使館別荘として長い間(1928~1997)使われてきましたが、平成10年(1998)に栃木県がイタリア国から買収し、平成11年(1999)からの改修工事を経た後、平成12年(2000)10月1日開園、イタリア大使館別荘記念公園としてオープンしました。イタリア大使館別荘は、アメリカの建築家、アントニン・レーモンドの設計により、昭和3年(1928)に建築されました。内・外装はスギの皮で装飾され、日本のスギと西洋建築が不思議に調和した 素晴らしい建物ですと紹介されております。


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