⑮十日稲荷神社

今「十日稲荷神社」、以前は「狐山稲荷神社」「燈火稲荷神社」とも呼ばれていたらしい。登り口には、今でも「狐山稲荷神社」の名があった。
赤い鳥居が「十日稲荷神社」までの道を埋めている。京都の「八坂神社」とまではいかないが、……。
今は、「十日稲荷神社」と呼ばれているが、至る所に「狐山稲荷神社」の名が残っている。

 「錢沢不動尊」からの帰り、取水口の橋を渡ると「憾満が淵」の一本上の道に出る。その道を北上し、「憾満が淵」最上部からの合流地点まで来ると直ぐ左に、日光宇都宮道路がある。下を潜り、東京電力日光第一発電所の横を抜け、取水口の橋を渡る。すると、真っ赤な鳥居が立ち並ぶ。その急な山道を登りつめると「十日稲荷神社」がある。
 この神社は、その記録から見ると、呼称に興味深いものがある。寛政2年(1790)の祭典の記録には、「狐山稲荷神社」と明記されている。その後には、「燈火稲荷神社」と書かれているときもあった。現在は、「十日稲荷神社」と呼ばれ、奉納されたたくさんの旗にもそう書かれている。願をかけて十日目に願いが叶うということだろうか。
 この神社の周辺には、「太郎」と「次郎」と呼ばれる2匹の野狐が棲むとか。お稲荷さんのお使いだろうか。
 この辺りは、春には、白いニセアカシアの花が咲き、秋には、サルトリイバラの赤い無が美しい。
 境内には、安永7年(1778)の常夜燈がある。
と記されている。

 参考文献:『ふるさと散歩道(第3集・1991)』 日光ふるさとボランティア編


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