夜泣き石
夜泣き石のいわれ
花石神社から北西に50mほど離れた、住宅地の入口にある大石が「夜泣き石」だといわれている。
この「夜泣き石」には《夜泣き石伝説》があります。ご紹介しましょう。2つほど地元に伝わっているお話です。
まず一つ目のお話。
「一体この子はどうしたのだろう。昨夜は泣き通しで、一睡もしない。虫のせいか、それとも、風邪引きか。」医者の投薬も、行者の虫封じも効き目がない。困った母親は、夜中ひそかに家を抜け出し、大石のところに行くと、「どうか、この子の夜泣きが止まりますように」とお願いをした。すると不思議、その晩から子どもの夜泣きがぴたりと直ってしまった。このことが評判になると、その大石は、「夜泣き石」と呼ばれて子どもの守り神になったそうな。
それでは二つ目のお話。
鼻を摘ままれても分からないほど真っ暗な梅雨の一夜のこと。山内から一人の住持が久次良の知人を訪ねた。途中、どこからともなく、泣き声が聞こえてくる。変に思って耳を澄ますと、泣き声は、足もとの草むらから聞こえてくる。もしや捨て子ではと、手探りであたりを捜したが、声の主は分からない。しばらく静かにしていると、何と不思議、自分の前にある大きな石から泣き声が出ているではないか。このことがやはり評判になると、人々は、夜中にやってきては、その大石に耳をあてがうのだった。いつしか、その大石は、「夜泣き石」と呼ばれるようになったそうな。
参考文献:『日光の故実と伝説』星野理一郎著
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